スマートな体温計測とデータ管理

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このデバイスの最大の特徴は無線接続によるデータ記録機能です。COVID-19の流行で体温記録の提出を求められる機会が増えました。一般的な体温計の場合、計測結果を手書きメモで残さなければなりませんが、このデバイスを使えば測るだけ体温の履歴が残るのでデータ管理が効率化できます。

体重、心拍、血圧など他のWithingsデバイスの計測結果とデータを一元管理もできるので、健康管理、アスリートのコンディション管理が効率的に行えます。

ただし、データ利用には少し注意が必要です。Withings Health MateのクラウドサーバーはWeb APIにより他のデータ管理クラウドサービスと連携可能なんですが、体温データはうまく引き出せませんでした。また、スマホアプリWighins Health MateはApple Health、Google Fitに対応していますが、Google Fitでは体温データの連携ができません(Apple HealthはOK)。自分自身でデータ管理や分析をする場合など、Withingsサービス以外で使う場合には少し工夫が必要になります。

計測精度

Withings ThermoOmron MC-678(予測式体温計)、Oura Ring(指輪型活動量計)の3つデバイスで42日間の体温計測を行い、結果を比較しました。なお、測定部位はデバイスごとに異なり、それぞれこめかみ、わき、中指(基節骨)でした。また、Withings、Omronは起床時に計測した体温の値ですが、Oura Ringは睡眠中の体温の平均値、かつ絶対値ではなく過去2か月程度の個人平均値からの変化量というデータの違いがあります。

42日間の平均値(カッコ内は標準偏差)では、Withingsが36.62(0.15)℃、Omronが36.48(0.23)℃とWithingsがやや高く統計的には有意な差がありました。また、変化傾向にも一致した特徴はなく相関関係(r=0.003)も認められませんでした。Oura Ringとの間の変化パターンの類似性として相関関係を見てみると、Withinsがr=0.25(弱い相関あり)、Omronがr=-0.01(ほとんど相関なし)でWithingsの方が少しだけ類似性が高い結果となりました。Oura Ringの測定値は睡眠中の平均値で個人内の変動を示すデータであることから「体温」をより反映していると考えられます。一般的な体温計は皮膚温を計測するものであり、日中の計測では環境温度の影響を受けやすくなるため「体温」を正確に反映するのは簡単ではありません。今回の結果では、Withings ThermoとOura Ringの間に少しではありますが相関関係が認められていますのでWithings Thermoは体温の変動を捉える精度はあると言えるのではないでしょうか。体重計、体組成計、心拍計など他のセンサーデバイスとも同様ですが、体温計測でもデバイス間で計測値に差があることから、コンディション管理に利用する場合は同じデバイスを継続的に使用して同じ条件でデータ評価をすることが重要であると言えます。

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